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技術屋さんの苦悩

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先日、岩上安身氏によって行われた
武田邦彦教授(元原子力安全委員)のインタビューを聞いて興味深く思ったのは、


内閣府原子力委員会の「専門家たち」が集まる会議で、
武田氏はこう思ったそうだ。
「原子炉を守るのか、住民を守るのか。彼らは前者を考えている」という。

2006年の「地震指針」という安全を考える会議で、彼らの考えは、
電力会社が想定していない事態が起こった場合、
「地震で施設が倒れて当然、放射能漏れて当然、住民被曝当然」と考えているという。
電源などの付帯設備に注力せず予算を費やさず、原子炉自体を守りたいと思っており、それは住民の安全を考えていないという事。


武田氏は、これでは何のために技術屋をやっているのかわからない。技術は人類や社会に貢献するためのもの。この頃から原子力推進派から批判派に変わり、今では反対派になってしまったという。


彼らは技術者、科学者であるというのになぜ、本末転倒な考え方をするのだろうか。
という疑問がわいてくる。優れているはずの学者、保安委員らは、原子炉自体のすごさの事ばかり考えていると。どうも、一部の学者は頭が良すぎて突き詰めたひとつのことにしか考えが及ばないのだろうか。

それと同時に、武田氏によると電力会社に協力している学者は年に2000~3000まんえんくらいの研究費をもらっているという。原子炉工学の学者が原発を反対するとその地点で蚊帳の外に追いやられ、小出裕章氏のように62歳で助教という肩書きになり、世の原発推進学者からバカにされ干され人生を過ごす事になるのだ。

技術者、科学者(医師も含め)は、真実を述べるものと誰もが思っていたし、
我々一般人の味方ではないかと信じていたが、どうやらそれは違うらしい…。

40歳代くらいで、なかなかそうはできないのは会社に忠誠を誓うタイプのサラリーマンと同じで、お金は欲しい、家族は守りたいと思うのだという。武田氏のように67歳でもう失うものはないと思う、いわゆるおじいちゃんになったものは、好き勝手な事が言える。今まで組織内で言えなかった事が言えるようになるのだ。

だから、最近おじいちゃんが「大声をあげている」のが目立つのだろうか?
引退した原子炉技術者らが、声を大にして「原発は危ない。今すぐ止めて」と。




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by chiesuzukihome | 2011-05-14 23:20

イラストレーター ChieSuzukiのblog


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